BCHとBSV、より優れているのはどっち?

BCH? BSV?

オンラインフォーラムRedditで、あるビットコイン(BTC)のファンがビットコインキャッシュ(BCH)とビットコインサトシビジョン(BSV)に関して次のような内容の質問を投稿しました。それに対してビットコインマイナーで、開発者でもあるJtoomin氏の回答が非常に鋭くわかりやすいので、ご紹介したいと思います。

質問内容は次のようなものです。

「先に明言しておきますが、私はBTCを持っていますが、BCHもBSVも全く持っていません。

私の知る限り、BCHコミュニティはずっと

その1、BCHは最もオリジナルのデザインとビットコイン論文に忠実である。
その2、大きなブロックでオンチェーンでのスケーリングを可能としている。

この二つを理由として、BCHが最も玉座に近いと主張してきました。偽サトシ騒動は別の問題として、この二つに関してはBSVの方がBCHよりもその主張に忠実だと言えるのではないですか?

なぜなら

その1に関しては、BCHはCTOR(Canonical Transaction Ordering)を組み込むなどしてオリジナルのデザインから変更を加えています。また、最近ではマイニング収益の一部を一時的に開発費として寄付するように変更を加えるべきかが議論されています。それに対してBSVはそのような変更は加えていませんし、それどころか、最近ではP2SH*も廃止しました。私はP2SHを廃止した事は馬鹿げていると思いますが、オリジナルに近い、とは言えませんか?

*注)P2SH(Pay to Script Hash)は2012年ビットコインコアのギャビンアンデルセン氏によって加えられた。

その2に関しては、BCHとBSVが分裂した後、BSVはBCHよりも大きなサイズのブロックを生成し、ジェネシスハードフォーク以降は最大ブロックサイズは無制限となりました。BCHは現在32MBの制限があります。これではBSVの方がスケーリングの可能性が高いと言えるのではないですか?

もしオリジナルビットコインとは上記の2つの事を指すのであれば、BSVの方がよりオリジナルに近いと言えるのではありませんか?」

以上が質問内容。

以下jtoomim氏の答え

「BSVのスケーリングのほとんどがトリックです。BSVの巨大ブロックは、ブロックチェーンを画像ファイルやその他の“非金融データ”でいっぱいにしているから大きいのです。BSVは各トランザクションの出力に最大100kBの好きなデータを入れることができます。

ビットコイン系のブロックチェーンの処理効率はトランザクションの数、特にトランザクションにどれくらい入力(インプット)があったかに比例しています。つまり、2kBの金融トランザクション10回は、100kBの非金融データを含むトランザクション1回よりも処理が難しく、時間もかかります。

BSVのこれまでの最大ブロックは255.9MBですが、そのブロックには実はほんの5,695回のトランザクションしか含まれておらず、トランザクション1回あたりの平均サイズは45kBもあります。これに対して、この22MBのBCHブロックには11万6,308回のトランザクションが含まれており、BSVの最大ブロックの12分の1のスペースに20倍のトランザクションが含まれています。つまり、BSVがこれらのとてつも無く大きいブロックを生成する手法は、意図的にトランザクションの大きさを膨らましトランザクションを非効率的にしているからに他なりません。

BSVがよく使うトリックのもう一つは、マーケティング目的で非常に大きなブロックを作成する時、ハッシュレートを落としていることです。

BSVの最大ブロック(593161)は、10分間隔ではなく、前のブロック(593160)36分後にマイニングされました。そのブロックのトランザクションスループット(スループット = 時間当たりの処理能力)は、たったの2.63tx/秒になります。これはなんと、BTCの平均スループットよりも低い値です。

トランザクション数が最も多いブロックの採掘には64分かかり、次のブロックにはさらに38分、その次のブロックには47分かかりました。BSVはテスト中に、約132tx/秒のスループットを達成しましたが、その値は2018年11月1日のBCHと BSVが分岐する前のBCHの最大スループット122tx/秒とほぼ同じです。つまり、ブロックが大きい事を宣伝していますが、実際のスループットはBCHと同じであることを意味します。

それだけではありません。

彼らはブロックが最大である事を宣伝する為に安全を犠牲にしているのです。彼らは制限を無理に引き上げ、ネットワークが色々と壊れ始めてもメインネットをスパムする、といった事が定期的に起きてきます

BCHがBSVとフォークする前、BCHのブロックサイズの制限を128MBに増やすべきかについて議論となりました。BCH側の人たちは、128MBは現在のソフトでサポート出来る容量を超えており、全てのノードがマイニングのインセンティブ設計を壊さずにコンセンサスを保つ事ができないと警告していました。BSV側の人たちは、それを聞かずにブロックサイズの制限を上げることにしました。

結果としてはBCH側の人たちが警告した通りの問題が発生しました。どちらの方法が良いと思うかはあなた次第ですけど。

BCHはこれからも必要となる容量は拡張して行きます。私たちは現在、そして将来に渡って、どこにパフォーマンスの問題が起きるか把握しており、それを治す方法も知っています。BCHは現在、需要の約100倍の容量に設定されています。今後需要が増加すれば開発リソースも増えます。(無理やり制限を引き上げるのではなく、アルゴリズムを改善)

基本的に、BCHとBSVはほとんど同じソフトウェアを使用しておりパフォーマンスは非常に似ています。BCHはブロックサイズの制限をハードウェアとソフトウェアの実際のキャパシティよりわずかに低く設定しており、BSVはキャパシティをはるかに超えて設定しています。BTCは実際のキャパシティよりはるかに低く設定しています。

また、ブロックチェーンをいわゆるオンライン・ファイル・ストレージにしてしまうBSVの「メタネット」戦略には問題があります。

大量に複製された永遠に消去できないデータを共有スペースに自由に保存することを許可すると、必ず誰かに悪用されることになります。予想通りあらゆる種類の違法なデータがBSVブロックチェーンにアップロードされています。BSVのブロックチェーンをダウンロードする人は誰でも、児童ポルノを含むそういったデータを所有することになってしまいます。

個人的には、P2P電子ファイルストレージおよび配信システムがサトシのビジョンだとは思いません。


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2020年2月10日(Monday)