Lightning Network vs Bitcoin Cash – 技術者では無い人の為の解説

Jonald Fyookball氏のコラム、「Lightning Network Vs Bitcoin Cash:技術者では無い人の為の解説。」の翻訳記事です。
元記事のリンクはこちらになります。


Lightning Network vs Bitcoin Cash、技術者では無い人の為の解説。

2017年8月にビットコインネットワークが二つに分岐した。片方のビットコイン、Bitcoin Cash (BCH)は「需要に応じてトランザクションが入るブロックのサイズを増大していく」というナカモトサトシの計画に沿って行く事にした。

もう片方のビットコイン、Bitcoin Core(BTC)はビットコインコアの方針に従い、Lightning Networkと呼ばれるビットコインのネットワーク上に設置されるもう一つのネットワーク”セカンドレイヤー”の完成までブロックのサイズは制限する。

この対立に関する無数の意見や多くの間違った情報の中から、技術者では無い人が正しい答えを見つけるのは非常に大変な事となってしまった。この記事で完璧な説明をすることは出来ない。だが理解するのに役立つ例え話をしよう。

車と電車

ある交通渋滞の非常に激しい街があるとする。この問題を解決するために、一つ目のグループは道幅を広げて「車線を増やす」提案をする。簡単で迅速に対応出来る方法だ。

もう一つのグループは「高速鉄道システム」を建設しようと提案する。より複雑だが、道幅を永遠に広げ続ける事は出来ないので長期的に見ると良い選択だと言われている。

さて、ここでこの例え話に疑問が生じる。

もし車線を増やすことがなければ、住民は強制的に電車を利用させられる事になり、好きな時間に好きな場所へ自由に車を運転して出かける事は出来なくなる。

独自のルールを設定する駅が現れ、幾つかの駅では身分証の提示を求められる事になり、最終的にはチケットを購入したり利用したりする許可がなければ、電車に乗れない事になる。

間違った例え話の使い方

例え話はとても強力だ。我々の思考は身近な所から発想して新しいアイデアの概要を掴む為、常に基準を求めている。

問題は例え話は意図的に嘘も伝えやすいという事だ。問題の小さな一部分を大げさにしたり、他の大事な部分を割愛したり、間違った例えを引き合いに出したり。 例え話の嘘を指摘すると大抵相手は手段を変え、トピックを変え、ゴールポストを動かす。

効率化の間違った解釈

テクノロジーとは効率化の事だ。大昔から、車輪、滑車、レバーなどの発明は私たちの生活を便利にしてきた。何も考えずに問題に取り組むより、何か効率良く出来る方法があったほうが上手く行くという事はだいたい誰でも知っている。

だから「セカンドレイヤーソリューションは賢いやり方」で「何も考えずに単にブロックを大きくするなんて間抜けのする事」と考えてしまうのだ。

しかし、「より良い方法に聞こえる」事が本当にいつも良い方法だとは限らない。綺麗で持続可能な原子力発電は化石燃料に依存するよりも良い方法に聞こえる。 原子力発電はまだ世界の発電量の15–20%程だが、おそらく複雑で、難しく、リスクと欠点がある。

私はもし本当に知性的にビットコインをセカンドレイヤーでスケーリングできる方法があるならば、ビットコインは分裂していなかったと信じている。 透明で切実な方法であるべきだった。結局そういう結果にはならなかったが。

現実世界のパラメータは無視する事

現実世界のパラメータに着目させる例え話は騙しの一つの基本的な方法だ。

例えば、ニューヨークのマンハッタンの道は確かに道路の道幅を広げる事は出来無いだろう。実際ニューヨークで、多くの人達が電車や公共交通機関を利用しているのは、その方が効率的だからだ。しかし、だからといってそれが「他の都市で道路の道幅を広げてはならない」という理由にはならない。

もしそれがビットコインの話だったら?

なぜBitcoin Core(BTC)の開発者たちはギガビット/秒のインターネットが実現したこの時代に1–2MB/10分間にキャパシティを抑えたいのだろうか?

今日すでに32MBブロックを持つBitcoin Cash(BCH)が存在し、Paypalと同じ一秒間に100トランンザクションが実現したのに、なぜ彼らはブロックチェーンは世界通貨として利用出来ないと言うのだろう?

プロセッサパワー、メモリ、ストレージ、バンド帯域の性能は毎年向上しているのに、何故こうした技術の発展の可能性はビットコインのスケールに考慮されないのか?

なぜオンチェーンでスケーリングしようとする議論に反対する声は「グローバルな電子キャッシュだとかIoTは不可能だ!」とか 「ブロックチェーン上で1秒間に数兆回のトランザクションを処理することはできないから基礎レイヤーの規模を拡大する必要は無い、より多くのレイヤーを構築するべきだ!」などの極端な訴えに発展するのだろうか?

非中央集権

BTC/LNサポーターから聞かされるよくある主張はこれだ。
「もちろん、ブロックサイズを上げる事もできるけど非中央集権が犠牲になる。何故なら性能の悪いコンピュータや遅いインターネットを利用するユーザーがビッグブロックは検証出来なくなるからだよ。」

最初に、この主張は今日の現実に即していない。ギガビット接続のインターネットは?ハードドライブも安いしプロセッサも十分速い。テクノロジーの進化は止まらない。

次に、あいにくとホームユーザーが自宅で検証してるブロックはビットコインを非中央集権にし安全にしている訳では無いという事。ビットコインのセキュリティは必ずプルーフオブワーク(PoW)のルールに従う。

三つ目、これが一番重要。彼らは利用者全員に強制的にセカンドレイヤーを利用させ、そこから発生する中央集権化された問題を完全に無視している事だ。 ルート上の全てのホップは前のハブに貸す資金と同額以上の資金が必要となる、したがって流動性の低下は必然的にライトニングネットワークに中央集権化された大型中央ハブを発生させる。ちょうど今、皆が目撃しているように。

ビットコインはパーミッションレスであるべきはず

再び、車と電車の例え話に戻ろう。いつ、どこで、どうやって利用するのか決まっている、身分証を見せる必要がある電車の駅をライトニングハブと例えるのは正解だ。

なぜ? なぜならあなたは電車に乗って仕事に行く時、まず近所の駅に行かなければならない。 ライトニングネットワークでは、チャンネルが接続されているノード同士でしか支払いが出来ない。 これを変えるにはオンチェーンでのトランザクションが必要だ。

P2P電子キャッシュ

比べてみよう。ビットコインの本来の姿(Bitcoin Core(BTC)の2009年から2015年までの姿と、今のBitcoin Cash(BCH))はP2Pだ。マイナーはあなたのトランザクションを拒否する事ができるが、他のマイナーは拒否しないだろう。ユーザーにとっては一つのマイナーは全てのマイナーと同じだ。

まるで車を買って好きな所へ誰の許可もなくドライブする事と同じ。もし一つの道が塞がっていたら迂回路を探せばいいだけ。一駅離れた自宅へ帰るのに電車に乗るのとは違う。もちろん、車で駅へ行く事もできるだろうけど、車に乗ってるならそのまま車を運転し続けるだろう。

Bitcoin Core(BTC)はライトニングネットワークと運命を共にし始めている。革新は歓迎だが、この実験はビットコインの名前とティッカーシンボルを奪ってまでして行うべきでは無い。

ありがたいことに、Bitcoin Cash(BCH)がビットコインをP2P電子キャッシュとして生かしてくれた。これは多くの初期のビットコインコミュニティのメンバー達が、本来のビットコインの素晴らしい仕組みを継続させたいと望んだからこそ出来た事だ。